
【紹介文】
良いニュースと悪いニュースがある。多崎つくるにとって駅をつくることは、心を世界につなぎとめておくための営みだった。あるポイントまでは…。
高校時代、完璧な関係だった4人の友人から理由も告げられず絶縁され、心の傷を抱いたまま大人となった多崎つくる。しかし彼はあるきっかけでその過去と向き合う巡礼の旅に出る。ハルキスト待望の新作。
【総合評価】 ☆☆☆☆☆(満点は☆5つ)
ドラマ性 ☆☆☆☆★
独創性 ☆☆☆☆☆
読み易さ ☆☆☆☆☆
【西京極の読後感想】
流麗な文章は読んでいて心がすーっと楽になる。心が落ち着く。それでいて退屈する事はなく、話の展開から目が離せなくなる。村上春樹健在である。未回収エピソードをそのままにして迎えるラストは、その結末を読者に委ねているのだろうが、それもそれで良い。むしろそうでなければダメだと思う。語り過ぎないさじ加減が絶妙。
