
【紹介文】
玄武書房に勤める馬締光也は営業部では変人として持て余されていたが、新しい辞書『大渡海』編纂メンバーとして辞書編集部に迎えられる。個性的な面々の中で、馬締は辞書の世界に没頭する。言葉という絆を得て、彼らの人生が優しく編み上げられていく。しかし、問題が山積みの辞書編集部。果たして『大渡海』は完成するのか
【総合評価】 ☆☆☆☆★(満点は☆5つ)
ドラマ性 ☆☆☆★★
独創性 ☆☆☆☆★
読み易さ ☆☆☆☆☆
【西京極の読後感想】
この小説を読むと、自分が本好きなことを誇らしく思えてくる。いろんな本を読む事、正しい日本語を知ろうとする事、正しく人と話そうとする事、それらはすべて相手に対する思いやりから発する意志だ。誤解無く想いを伝える為に言葉は存在する。それはどんなに時代が変わろうとも変わる事は無い。言葉を大切にする人が主人公である話を読んでイヤな気分になる人はいないはず。文体も読み易いので是非お読みください。
