西京極 紫の館

京都サンガF.C.サポーターの日常をつづるblog。試合観戦のレビューの他にも趣味の映画や音楽、読書の感想なども書いていきます。

火螢の城  秋月達郎/著  PHP研究所

【紹介文】
慶長五年、徳川家康石田三成が最も味方にしたい男がいた。京極高次  妻と妹の「尻の力」によって出世したことから“ほたる大名”と揶揄される武将である。この優柔不断な男が流されるまま、戦国一勇猛とされる立花宗茂を迎え撃つ羽目に。十倍以上の敵を相手に高次は「敗けない」戦をどう挑んだのか…。関ヶ原の戦いの趨勢を左右した大津城の攻防を、迫力に満ちた筆致で描く歴史長編。

【総合評価】 ☆☆☆☆★(満点は☆5つ)
 ドラマ性 ☆☆☆☆★
  独創性 ☆☆☆★★
 読み易さ ☆☆☆☆☆

【西京極の読後感想】
今は琵琶湖周航遊覧船ミシガンが発着する港があるばかりで天守はおろか石垣も残っていない大津城。そこには高貴な血筋と、戦を好まぬ優しさを持つ、およそ戦国武将らしからぬ武将がいた。他に類をみない優しさと弱さを武器として、大軍を相手に籠城戦を繰り広げ、天下分け目の関ヶ原に大きな影響を与えた異色の戦国大名京極高次。その籠城戦を解り易く、情感あふれるタッチで描いた佳作です。最後は人としての愛嬌、魅力が運命を切り拓くのですよ、うん、うん。

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